パルミラはシリア砂漠の真中に位置する世界でも最大級の隊商都市遺跡。旧石器時代にはすでに人類が生活し、メソポタミア文明期にも交通の要所として繁栄したが、西暦106年に南部のぺトラがローマ帝国に併合された後、それに代わる貿易路の中心国家として3世紀終わり頃まで最も繁栄した時代を迎えた。
西暦267年に有名な女王ゼノビアが即位し、ローマ帝国に反旗を翻して小アジアからエジプト一帯の交易路独占を図る。美貌と才知を兼ね備えていたというゼノビアはエジプトのクレオパトラの末裔だと自称していた。しかし、西暦272年にパルミラはローマ軍との戦いに敗れて町は破壊され、捕らえられたゼノビアは金の鎖につながれてローマへ移送された。そしてパルミラの繁栄は終わる。
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