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ペトラ遺跡 シク (狭い岩の裂け目)
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ペトラは遺跡入場ゲートをくぐっても、実際の遺跡入口となるシクは約1キロほど先にある。そこまで歩くのがイヤな人のために何十頭もの馬が客を待っていた。
シクと呼ばれる細い岩の裂け目みたいな道を約2キロ歩いて進んだ先にぺトラの遺跡群が始まる。両側の崖の高さは100メートル。
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今から9000年も前の新石器時代からぺトラには人間が住み始め、紀元前2世紀から紀元2世紀にかけてのナバタイ王国時代に最盛期を迎えた。バラ色の砂岩で出来たエル・カズネ、岩窟墳墓群、葬祭殿、ナバタイ庶民の洞窟住居、そしてローマ劇場など遺構もバラエティに富んだものばかり。交易路の中心に位置し隊商貿易で繁栄を極めたことが偲ばれる。
しかし、紀元106年にローマ帝国に併合されて以来、ぺトラは衰退し始め、隊商貿易の中心地は北のパルミラ王国に移ってしまう。そして紀元363年の大地震で壊滅的な被害を受けたことによりぺトラは事実上滅亡してしまった。
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ペトラ遺跡 シクの途中に彫られたレリーフや祭壇
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シクをてくてく歩いて行くと様々な遺構に出会う。崖の下の部分には浅い溝が掘られて延々と続いているが、これは古代の水路跡。
また、ドゥシュラ神を祀った祭壇(左下)、岩壁に彫られたナバタイ語碑文、幾つかのレリーフなども残っている。左上はラクダを連れたナバタイ人の姿を彫ったもので、今では足元の部分しか残っていない。
100メートルの岩壁に挟まれた谷底のシクの道は夏でもとても涼しいという。
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ペトラ遺跡 エル・カズネが見えてきた
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昼間でも薄暗いシクの細い道を歩き続けると、急に岩の裂け目の向こうにバラ色のエル・カズネが見えてくる。これまで幾つかの国の遺跡を訪問したけど、この出会い方は本当に衝撃的。
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周囲が岩や砂ばかりだからという訳だけじゃなく、朝日に照らし出されたエル・カズネは思わずハっと息を呑む壮麗さだ。実際に前に立つとしばし呆然とたたずんでしまうくらい感動する。Tは「インディジョーンズと同じだ!」なんて嬉しそうだったけど、当たり前でしょ、ロケ地だったんだから。
これが建造された年代は紀元前1世紀〜紀元後2世紀の間(すげぇイイ加減)であると一般には説明されている。ホントは諸説あって今も不明なまま。 |
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エル・カズネとはアラビア語で宝物殿という意味だが、実際のところは葬祭殿らしい。 にもかかわらず、宝物が隠されていると信じる者たちが昔から後を絶たず、正面入口の頂上にある壷の部分が怪しいと思い込みライフル銃で撃って破壊したバカ者もいた。
近年、このエル・カズネ正面入口の真下で墳墓が発見されたとか。
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ペトラ遺跡 エル・カズネの中から見た外の光景
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エル・カズネの中は何の飾りもないガランとした、ただの四角い部屋。奥の壁には大きな亀裂が走っている。早く修復しないと崩壊するんじゃないかと少し心配。
薄暗いエル・カズネの中から外を見ると陽光に照らされた砂岩の岩肌の色がとても綺麗。
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この旅行の2年くらい前に日本のとある著名なカップルが観光で来たらしい。修復のために日本が出来ることについて関係諸機関へ何か働きかけでもやってくれたんだろうか。我々の税金でメシ食ってんだから、それくらいは...ねえ
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