パルミラの遺跡を後にして、今度はバスで西へ約250キロ走り、十字軍の要塞だったクラック・デ・シュバリエ城跡へ。
ここは11世紀初頭にホムスの王が築いた砦だったが、1099年に聖地エルサレムを奪回するために遠征して来た十字軍ホスピタル騎士団が占領し城砦としての大幅な改築を行った。キリスト対イスラムの宗教対立は幾度となく戦争へと発展し、十字軍遠征による遺恨は今もなおアラブ地域に根深く残る。
パルミラからバスをとばしてやっと城のふもとまでやって来た時、すぐ目の前で車同士の衝突事故が起こり道路はしばらく通行止め。ギリギリの日程で遺跡を回る僕たちは無駄に時間を浪費する余裕など無かったので通行止め個所を徒歩で越え、そのあたりの民家の自家用車を手配して山の頂上の城まで乗せてもらった。何とかクラック・デ・シュバリエの門をくぐることが出来たのは若いシリア人ガイドさんの機転のおかげ。
事故のために予定が大幅に狂い、ここもボスラ遺跡と同じで着いたらすぐに日没で真っ暗。そして当然ながら夜間照明設備など全く無い。
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