アンジャル遺跡の後、国境を越えてシリアへ再入国。首都ダマスカスは人口150万人のシリア最大の都市。
ダマスカス国立博物館でマリ遺跡出土品の古代ガラス・土器・楔形文字の粘土板など、古代オリエント関係の展示品を見ることが出来た。シリアといえばユーフラテス川が流れているんだからメソポタミア文明の遺跡が多いんだろうと勝手に思い込んで来たのに、行くところ全てローマ時代の遺跡ばかりで特に円形劇場は見本市状態。ここでやっと思い込み通りの物に出会えた。
この後、スーク・ハミディーエの中を歩く。スークとは“市場”のこと。薄暗いアーケードの中、両側に立ち並ぶ店の店頭に山積みにされた品物の種類の多さとそこから漂う様々な香辛料なんかの香りと飛び交うアラビア語の大声やラジカセから流れて来るアラブ音楽などの喧騒の物凄さにドキドキしながら、絶対真っ直ぐに歩けない人ごみの中をじろじろ見られながら何度も人にぶつかって進み、途中、イスラム商人の古い大邸宅と営業中の本物のトルコ風呂の中にズカズカ入り込んでチョコッと見せてもらってすぐに退散し、やっとのことでスークを抜け出ると、目の前にはウマイヤドモスクと青い空があった。
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