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第2日目 Part3

 

Shiraz - 3


ヴァキール・モスク
ヴァキール・モスク
 1773年に建立のこのモスクは幾何学文様の美しさで有名だとか。
 言われてみて初めてそうかな、と中途半端に納得。だんだんとモスクも見慣れてきたので、似たようなモスクを幾つも見た後では最初の感激が少しづつ薄れてきているような。

ヴァキール・モスク 3
ヴァキール・モスク 4

これがシラーズ様式モスクの特徴なのか、
この寺院にもバラの花のタイルやモザイクが至る所にある。

ヴァキール・モスク 5
 
サアディー廟
 
 シラーズは詩人の町と呼ばれ、現代でもイランで国民的人気を誇るサアディーとハーフェズという二人の偉大な抒情詩人の出身地。彼らの墓所も残り、多くの人たちが廟を訪れている。
 夢見る文学少年や少女でもあるまいし、詩人のお墓参りというガラでもなく余り興味もなかったけど、一応行くだけ行ってみました。
 
サアディー廟
 
 イラン四大詩人の一人と賞されるサアディーは13世紀を代表する詩人。20才の時に故郷シラーズを離れ、北アフリカやアラビア半島からインドまで40年間にわたって旅を続けた。
 その旅が日本の尾崎放哉や種田山頭火のような漂白・流浪だったのかどうかは知らない。
   放哉や山頭火と違うのは晩年60才を過ぎてから(一説には70才過ぎとも)シラーズへ戻り、故郷の地で永眠することが出来た点。代表詩集は『薔薇園』。かなり難解な詩のようだ。
 廟の中に張ってある詩文を書いたタイルの深いブルーがとても綺麗。お約束(?)どおり、ここで現地人ガイド氏による詩の朗唱が始まった。内容は意味不明ながら朗々と謳う声は単なるBGMだと思って聞き流せば Goodな雰囲気。
 
サアディー廟 2
 
ハーフェズ廟
 
ハーフェズ廟

 次はシラーズが生んだもう一人の天才詩人ハーフェズのお墓。
 詩人の墓参りのハシゴなんて、こんな機会でもなけりゃ絶対にすることないだろうなと思いつつ足を運ぶ。
 
 ハーフェズはサアディーより百年ほど後の時代、14世紀に活躍した詩人でサアディーとはまったく逆に一生涯をシラーズで過ごした。おそらくペルシア古典詩人で最も有名で親しまれている詩人だという。彼の詩は神秘主義的要素が強く、比喩や寓話を多用している(らしい)。
 とにかく現在でもイランで最も愛され尊敬されている詩人なので、女の子を口説く時にはハーフェズの詩を口ずさめば成功する確率が高いと現地のガイド氏が言っていた。古典詩で口説くなんて、日本のどうしようもない若い世代なんかより遥かに教養度が高い。


 もともとアラブ民族は詩や詩人を大切に扱う伝統がある。イスラム以前の古代国家においても、あるいはイスラム以後も、部族間の抗争や戦闘は武力や暴力による勝敗のみならず、その戦いの様子を詠った詩の優劣で戦闘自体の勝敗を決したこともあった。だから諸王や豪族たちは優秀な詩人を競って召抱えたと言われる。なんとも優雅というかノンビリというか…。