ゾロアスター教徒が鳥葬・風葬の場として使用していた沈黙の塔。正しくはダフメ・ザルトシュティヤーンと言う。ダフメという言葉を聞いたことはあるけど、墓場のことだったとは知らなかった。
ゾロアスター教では創造主アフラ・マズダの叡智の属性が7つの創造物(火・土・水・風など)に宿して善霊となり、邪悪・憤怒・嘘などの悪霊と絶え間ない死闘を演じていると考えられている。そして、死は善霊が悪霊に屈服した最悪の状態であり、死体に直接触れることは最大のタブーとなる。その死体を聖なる火や土を使って焼いたり埋めたりすることは断じて許されざる行為に他ならない。そこで、死体は野ざらしにして腐った肉が鳥についばまれ、残った骨が風に吹かれて風化してゆく葬送法を採った。
ここには大小二つの塔があり、高い場所にそびえる大きいのが男性の死者用、それよりも低い所にある小さいのが女性の死者用。今回は女性用に登ってみた。
なお、現在では法律で鳥葬・風葬は禁止され、ゾロアスター教徒も土葬となっている。
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