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Tikal
― ティカル遺跡(4)―
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7つの神殿の広場から再び近道をして顔にかかる木の枝を払いながら森の中を歩くと、いきなり2号神殿の横に出た。近道はいいけど、結果的に3号神殿をすっ飛ばしてしまったことに後で気が付く。なんてこったい、まったく。
2号神殿を見上げながら眩しいくらい明るく華やかで、かつ、観光客も多くて賑やかな大広場へ進む。
大広場に立つと1号神殿、2号神殿、ノース・アクロポリス、セントラル・アクロポリスなど、周囲をぐるりと取り囲む重厚な建造物の威容に圧倒され、しばし無言のまま。古典期マヤ最大の宗教センターだったティカルの、そのまた最も重要な場所、まさにマヤ文明の心臓部とも言える大広場に立っているのだと思うと、何か胸にジ〜ンとくるものがある。
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ティカル遺跡 1号神殿
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ティカル遺跡の顔とも言うべき1号神殿。別名「大ジャガーの神殿」とも言われ、建立は西暦740年前後。
47メートルの高さがあるにもかかわらず、それでもまだティカル6大神殿の中では4番目の高さでしかない。
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空に向かって伸びる端正で優美なシルエットを目の当たりにした古代マヤの人たちはホントに天まで行けそうな気がしただろう。
1号神殿の地下にはティカル復興の足固めを果たしたハサウ・チャン・カウィール1世が埋葬されている。この神殿は彼の墓所として建設された可能性が高いようだ。
2001年5月現在、1号神殿の階段は閉鎖されていて頂上まで登れなかった。
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昔、学生の頃、休学してグアテマラやメキシコを1年余り放浪した先輩がいた。その人がこの1号神殿の頂上で撮った写真の美しさに魅了され、いつかきっと自分もティカルの1号神殿に登ってやるぞ、と心に決めていたのに登れなかったのは本当に残念...
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ティカル遺跡 2号神殿
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2号神殿を見上げるとこんな感じ
お年寄りや子供でも簡単に登れる
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ノース・アクロポリスの上から
見てみると、こんな感じ
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2号神殿は大広場をはさんで1号神殿と向かい合う。1号神殿と同じ頃の建立と思われ、ハサウ・チャン・カウィール1世の妻と何か関連があるのでは、と推定されている。現在の高さは38メートルだが、当初は42メートルあったらしい。
屋根飾りの素晴らしさから別名「仮面の神殿」とも呼ばれる。この2号神殿で墳墓はまだ発見されていないが、調査が進めば見つかる可能性も大きいという。
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かなり昔は「マヤのピラミッドはエジプトとは異なり、王の墓ではない」というのが一般的な見方だった。パレンケの碑文の神殿でパカル王の墓が発見されても、それは例外だとする考え方がしばらく続いた。しかし、今では多くの神殿は支配者階級の墓と結びつけて考えられ、実際にティカル遺跡でも70%の神殿の地下から墳墓が発見されている。
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ティカル遺跡 1号神殿と対峙する2号神殿
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どちらかと言えばスリムな1号神殿とは対照的に、2号神殿はどっしりと安定感のある形をしている。 ズングリしていてもかえってそれが落ち着いた良い雰囲気を醸し出している。
私もズングリ体型♪
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